結婚披露宴イメージ

再会できた涙の結婚披露宴

これは兄の結婚披露宴のときのことです。
兄の結婚は、本来ならこの一年前には行われているはずでした。
しかし兄の結婚が決まった頃、母の病気が急激に悪化してしまい・・・。
どうしても母には出席してもらいたいし、母自身も出席を強く希望してたので、とにかく少し様子をみて出席可能なまでに体力が回復したら式をあげようという話になったのです。
そして順調に回復していく母。
それにあわせて式場の予約。
しかし式の一ヶ月前、突然帰らぬ人になってしまったのです。
家族全員、もう茫然自失です。
お嫁さん方のご家族もすごく良い人達で、母の回復を喜んでいてくれたのにこんなことって。
けれど悲しんでばかりはいられません。
一ヵ月後に迫った式をどうするかを決めなければいけません。
通常なら喪に服すということで、一年先送りにするのですが、意外にもこれに断固反対したのがお嫁さん一家でした。
「お母さんは式にでたがってたんだから、このままやるべきだ。きっと天国から参加してくれる」と。
そして行われた結婚披露宴。
みんな笑顔です。
母の席もちゃんと用意してあり、料理もしっかり母の分まであります。
これもお嫁さんの意向らしく、こんな心遣いに思わず涙が出そうになりました。
そして順調に進んでいった披露宴の最後の最後。
突然証明が消え、少々パニック気味になったところへ母の声が響いてきたのです。
最初は聞き間違えかと思いました。
誰か似た声の人が喋っているのかと思いました。
しかしどう聞いても、忘れもしない母の声です。
そしてふと明るくなった方を見ると、モニターいっぱいに映った母の姿が・・・。
病気で痩せこけて見るのも痛々しい姿ですが、満面の笑顔です。
嬉しくて嬉しくて仕方が無いという顔です。
兄の結婚を祝う言葉。
家族を思う言葉。
お嫁さんへの感謝。
そんなことを、つらつらと語り続ける母の姿。
もう涙が止まりませんでした。
どうやら母は、式までもたないのを自分で感じ取っていたようです。
そこで看護師さんに頼んで、お祝いビデオを内緒で撮っていたのだとか。
そしてそれを家族にも内緒で式場のスタッフに託したと聞いて、更に涙々でどうにもならなくなりました。
もうに二度と母には会えないと思っていただけに、こんな再会が出来るとは夢にも思いませんでした。
お嫁さん一家は勿論のこと、母に協力してくれた看護師さんや式場のスタッフ方々にも感謝でいっぱいです。
こんなステキな結婚披露宴ができて、兄が羨ましくて仕方ありません。

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