結婚披露宴で花嫁への手紙のサプライズ
結婚式や結婚披露宴は誰のものなのでしょう。
結婚する2人のもの、家族のもの、ゲスト全ての人のもの。
考え方は様々ですよね。
私の場合はお互いの家族のものという気持ちで披露宴をしたいと思っていました。
自分たちだけでなく、今まで育ててくれた両親や兄弟・祖父母に感謝を伝え、一緒に楽しめる時間にしたいとプログラムも工夫したつもりです。
祖父母へのプレゼントを用意したり、兄弟へサプライズをしたりと自分たちらしい演出に力を注ぎました。
披露宴の間に流すBGMも愛の歌というよりは家族への感謝の歌が多かったし、花嫁の手紙では両親にはもちろん、兄弟・祖父母へも感謝の言葉を述べさせてもらいました。
みんなの喜ぶ顔が見たいという気持ちでいっぱいだった私。
そうして順調に披露宴は進行し、私は涙を流しながら花嫁の手紙を読み切りました。
いよいよ披露宴も新郎の一言で終わりという時です。
突然司会の方が『実はここで新婦にサプライズがあります』というのです。
もちろん、私や主人は何のことか分かりません。
すると私の妹がマイクを持ちこう言いました。
『今までいつも家族のためと自分の事は後回しにしてきたお姉ちゃん。これからは自分と自分の家族を何より大切にしてね。これからお母さんの手紙を私が代読します。お母さんはお姉ちゃんからの手紙で号泣しているので私が代わりを務めます』私は突然のことに驚き、声も出せずマイクを握る妹と母を見比べていました。
手紙にはこのようなことが綴られていました。
「あなたは四人兄弟の長女。我慢することや叱られることも一番多かった。いつも家族の様子を伺って自分の事は後回しにしてきましたね。それなのに母の日や私の誕生日には『お母さんの子どもで良かった』と書いてくれていました。だけど、今日だけは言わせてください。あなたが私の子どもに生まれてきてくれて本当に良かった。あなたが幸せそうな姿を見せてくれることが何よりの親孝行です。これからは家族を大切にするのももちろん、自分自身の幸せをしっかりと大切にしてね」私はきっと生きていてこんなに涙が溢れてきたことはありません。
家族の嬉しそうな顔が好き、母に甘えたいけれど兄弟に譲ろう、そんな私の気持ちを母は気づいていたのですね。
母は母なりに私のことを愛し、心配していてくれたのだと再確認できました。
愛する人と家族になることを大好きな家族が喜び応援してくれる。
これ以上の幸せはありません。
私にとって家族の絆の強さを感じられた最高の時間でした。